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イスラムの怒り

内藤正典氏が集英社新書から刊行されています。

2006年のワールドカップで仏国のジネディーヌ・ジタン氏が伊国のマルコ・マラッツィ選手に頭突きした事件が書かれています。何を言われたか憶測が飛び交い、話題になったようです。筆者は親族の女性が侮辱されたのだろうと書いておりました。そして、母親ではないと。母親が侮辱されたら頭突き程度では済まされなかったと。

更に、仏政府は移民の成功者を生み出すという当初のもくろみが外され、彼の取り扱いに慎重になったそうです。

視点の面白さに、西欧では侮蔑言葉が日常的であることに対して、ムスリムは侮蔑言葉を口にする際には相当な覚悟が必要だと書いています。

以下、引用です。

ジハードを聖戦と訳することが多いが、これは誤訳といったほうがよい。もともとは、イスラム教徒(ムスリム)一人一人が、正しい信仰実践をする努力のことを指す。ムスリムを守ること、ムスリムの共同体(家族はその根幹)を守ることにも、最大限の努力が払われる。だから、ムスリムが生命にかえても守らなければいけないと信じているものが、汚されたり、傷つけられたりすると努力(ジハード)は傷つけた相手に対する暴力となって表れることがある。

うーん、誤解していました。ジハードの意味は努力という感覚で捉えないと間違えるようです。イラク戦争であれだけの市民を殺したとなると家族(即ち、最も守らなければならないもの)を失った者が過激派に洗脳・扇動される危険は増大すると考えられます。

以下、引用です。

ブッシュ政権のアメリカは、「テロとの戦い」に失敗した。テロとの戦いに勝てないというのではない。テロリズムと戦うことが世界共通の課題であることはいうまでもない。しかし、アメリカはやり方を完全に間違えた。<中略>第一に、アメリカは、ムスリム自身が「イスラム原理主義」という言葉を理解していないことに気づかなかった。イスラム原理主義者、イスラム原理主義組織というのが、誰とどんな組織を指すのか、ムスリム自身には分からなかったのである。イスラム原理主義というのは、アメリカがつくりだした用語だった。<中略>第二に、アメリカが打倒したイラクのフセイン政権は、イスラム原理主義となんの関係もなかった。<中略>だから、九・一一のテロを起こした犯人たちとフセインを結びつけるというのは、最初からありえない話だった。アメリカは戦うべき「敵」を間違えた。<中略>アメリカは、「ほら、やっぱりアル・カイーダがいたじゃないか」と戦争の正当性に結びつけようとしたが、アル・カイーダ一派は、戦争後にイラクに入ってきたのであって、フセイン政権の時代にはいなかった。<中略>第三の失敗は、ムスリムを相手に、大規模な「戦争」という手段で「テロとの戦い」をしたことが、かえってムスリムの怒りを増幅させたことにある。<中略>ムスリムの「非戦闘員」の観念と、私たち非イスラム教徒の「非戦闘員」の観念は違う。そのことを、アメリカを含めて非ムスリムの側は知らなかった。日本も含めて、欧米諸国では、軍人を戦闘員として、その他の一般市民を非戦闘員と扱う。しかしイスラムでは、戦時において基本的に成人男子はみな戦闘員になる。一方、子ども、女性、高齢者は非戦闘員とされる。<中略>だが結果としてイスラムで非戦闘員とされる女性や子どもを、数多く殺害した。幼い子どもの死体を抱えて悲嘆に暮れる親の姿に、世界じゅうのムスリムは瞬時に激怒した。それが、いまもって世界がテロの脅威と直面している原因である。

随分と引用が長くなりました。端折れるだけ端折りましたが。

なかなか難しい問題だと考えさせられます。

たしかに、イラク駐留の米国海兵隊が強制的に見せ物として夫婦生活をさせたり(帰宅後に妻は殺されたと記憶しています。うろ覚えです。)、捕虜(厳密には取調中の容疑者)に男性のアレをしゃぶらせたり、多くの辱めをしました。コーランを便所に棄てるなど論外です。



憎しみの連鎖が止まることを知らないのは不幸なことです。






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コメント

No title

ミニチさんのブログって、何だか難しいなぁ~
すみません、バカで、、、

wwくくさんへ

コメント、ありがとうございます。

この本はあまりに広範囲に言及しており、上手くまとめられませんでした。

自分が覚えていたい箇所だけ写すとこうなりますね。

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