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ソウルの憂鬱 4

韓国社会に関する本には、ウリとナムという言葉が頻繁に出てきます。乱暴な言い方ですが、ウリは一人称複数形でナムが三人称複数形と言えます。但し、人間関係を示す言い方としても使われており、ウリとナムと言えば、「こちら側」と「あちら側」という見方も出来ます。この「こちら側」と「あちら側」といった時に、無視・無関心を伴っており、時として対立・挑発に発展する点は特徴的だといえます。更に、ウリの規定が時と場によって変化する点も特徴があるといえます。ある種の階層・階級を基本した人間関係だけで、「こちら側」であるウリが形成されるわけでは無いからです。

ソウルの憂鬱 2に掲載した通り、唐の占領下にあった平壌以北の朝鮮半島では渤海が建国されています。唐という隣国に対しての結束が旧高句麗勢力の結束を促した結果と考えられます。これは、唐という「あちら側」の存在により、こちら側が形成された端的な事例だと考えております。大韓民国の大統領選挙をみてみましょう。大韓民国という範囲に限定すると地域対抗戦になっています。限りないほどの細分化が行き着く先は、男子単系血族でつながる者同士にまで至るようです。

在日朝鮮人や北朝鮮からの亡命者は、韓国国内では常に「あちら側」の扱いを受けているようです。野球なら巨人に在籍した新浦投手、サッカーなら李忠成選手が「ウリ」に入れてもらえなかった心境を吐露しています。韓国社会で過酷な通過儀式である徴兵を経ていないという点の指摘もありますが、在日朝鮮人が韓国社会で半日本人と呼ばれことを考えるなら別な原因があると考えられます。推測ですが、大韓民国の国民を「こちら側」と規定する以上は、北朝鮮を含め他地域出身の朝鮮民族は常に「あちら側」の人間とされるのではないでしょうか。

西暦1949年(第二次世界大戦は1945年に終結している。)の大韓民国初代大統領である李承晩氏が一民主義を唱えても団結は無く、クーデターにて政権を掌握した朴大統領が豊臣秀吉を持ち出して軍事政権の正当性と方向性(要は日本への対抗)をつけ、大韓民国は現代史を歩んできたといえます。(注1)大韓民国の国民を「こちら側」として規定する為に、「あちら側」たる日本が必要だったのではないでしょうか。

歴史的な積み重ねのある対日蔑視感情を基本にした「あちら側」に対しては、大韓民国の国民がヒステリックなまでの感情をむき出しにするのは当然の帰結と考えられます。これが正とするならば、併合以降の行為を日本政府が謝罪を繰り返しても受け入れられることはないとなります。「あちら側」である日本がいなくなっては困るのからです。

では、日本と朝鮮半島(大韓民国と北朝鮮)の関係はどうすればよいのでしょうか。現時点では、外交と経済政策の分離だと考えております。外交関係の参考になるのは、ソウルの憂鬱1-3で見た中韓(正しくは朝鮮半島政権)関係にあるように思えます。(注2)経済政策については徐々に依存度を下げていくことだと思えます。しかし、これは良好で対等な関係には程遠いものです。

両国がより良い関係を築くには何があるのかを模索し続ける必要があります。




注1)朴大統領は、軍事政権であったものの親類縁者を青瓦台(大統領官邸)に近づけることなく、以降の大統領達が汚職疑惑に塗れたのとは異色を放っています。戦後韓国での経済発展を成し遂げており、クーデターは悪であると単純には言えない結果を示しております。李明博大統領の親戚が既に収賄で起訴されたのを考えれば、異彩を放っております。

注2)日本国内でも感情的な反発が高まるような状況はさけなければならないと思います。不況で閉塞感の強い社会では隣国蔑視の世論が台頭しやすくなる傾向が見受けられます。隣国の世論が何であれ、自分たちがレベルを下げる必要はないように思えます。




参考文献 呉善花氏/著 反日・親北 韓国の暴走 小学館 第1刷。
古田博司氏/著 朝鮮民族を読み解く -北と南に共通するもの ちくま新書 第2刷




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コメント

人間って、

愚かだよね・・・こういう対立や争いは大昔からあるんだろうけど、きっと永遠に、心底から分かり合えることなんてできないんだろうな~。
小さな小さな島を取り合いしたり、人間ってホント悲しいね・・・

ま、我が家も小さなお菓子一つで内戦勃発ですけど^^;
あと、酔っぱらいによる暴言ミサイル発射とか。まー狭い世界でもいろいろあります。人間関係において、片方は良い関係を築こうと努力して歩みよっても、もう片方が全く聞く耳を持たず自己主張だけして攻撃の手をやめなければ、やはり信頼関係を築くのは難しいです。

よしのさんへ

子どもたちに平和は尊いと教える反面で、相手も歩み寄らないと距離は変わらないじゃないかという気持ちになります。
その苛立ちは感情的な排他策に簡単に陥りやすいんですよね。難しいです。

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